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夜、鳥たちが啼く(映画)のあらすじやネタバレ!原作との違いはある?

「夜、鳥たちが啼く」が2023年12月9日(金)から公開されます。

カメレオン俳優の山田裕貴さんが主演、
あざとかわいいで大ブレイクした松本まりかさんがヒロイン役です。

監督は「ホームレス中学生」「猫侍」「女子高生に殺されたい」などの代表作がある
城定秀夫さん。
脚本は高田亮さんです。

そして、「夜、鳥たちが啼く」は
第17回ロサンゼルス日本映画祭で最優秀長編作品賞を受賞しました!

「夜、鳥たちが啼く」のあらすじやネタバレ
そして原作との違いについてもまとめてみました。

夜、鳥たちが啼く(映画)のあらすじやネタバレ

映画のあらすじ

若くして小説家となった主人公の慎一、鳴かず飛ばずの状態で付き合っていた恋人も離れていき鬱屈した日々を送っていました。

そんなある日、友人の元妻である裕子が一人息子とともに慎一の家に引っ越してきました。
自分が住んでいた家を裕子と子供に与え、慎一はプレハブに。
奇妙な共同生活がスタートしました。

自分の身勝手な性格が災いして他人を傷つけた経緯のある慎一は夜になると、かつての自分自身の姿を投影するような小説を書く日々を送るようになっていました。

一方、一人息子とともに慎一のところに身を寄せた裕子は息子が寝静まった頃に外出して、様々な男たちとデートを繰り返していました。
親として強くありたいという想いと言い切れぬ孤独との間で苦しんでいるようです。

父親がいなくなった淋しさで傷ついていた裕子の一人息子は慎一を慕い始めます。

慎一と裕子は互いに干渉しないように共同生活を送っていましたが
二人とも前に踏み出すことができずにいました。。。

公開されている予告映像

慎一の家に裕子さんが「お世話になります」と引っ越してくるところから、「アキラを寝かせて一人でいられないの」と孤独に震える心の内を明かす姿。
慎一が元恋人との別れ際に泣き叫ぶ姿や、「向こう(の家)はあいつ(元恋人)と住んでいたところだから・・・」と気持ちを明かすシーンなどが盛り込まれています。

終盤には慎一と裕子が互いを求めるシーンもあり、二人の関係性に変化があったことがうかがえます。
ラストの、机に向かう慎一の穏やかな表情は何を物語っているのでしょうか。

夜、鳥たちが啼く(映画)原作との違い

原作は、「大きなハードルと小さなハードル」のなかの「夜、鳥たちが啼く」。
1990年に自ら命を絶った不遇の作家といわれる佐藤泰志さんの作品です。

原作のあらすじ

慎一が住む借家に、友人の裕子とその息子のアキラが転がり込んできます。
家賃は折半、母屋に裕子とアキラが、その横に建てられたプレハブに慎一が生活します。

裕子の夫だった邦博は、慎一の大学時代からの友人で、今は若い女性と暮らしています。

ある夜、男を漁り終えてフラフラと帰宅した裕子を見かけた慎一は、彼女を自分のプレハブに誘い、これまでの距離感が嘘かのように関係を持ってしまいます。

一線を越えてしまった二人、表面上は変わりませんが慎一は裕子に惹かれていきます。
裕子はというと、夫に裏切られた経験から男性に何も期待をしておらず
「次に住む家が決まるまで」という約束通りに、新しい家を探して出ていく決意をしていました。

裕子に出ていってほしくない慎一は、
「結婚もしていないのに、別居だし、家庭内離婚だ。おもしろいじゃないか。そんなふうに暮らしていかないか。どうだい」と気持ちを伝えます。

しかし、作中の年代は1980年代頃。
結婚しないまま奇妙な共同生活をおくる慎一と裕子は、狭い田舎では噂の的となります。
まるで幼稚園で出会った”夜眠らない、普通ではない鳥たち”のように。

たとえ両親から失望され、世間から軽蔑され、誰もふたりのことを理解しなくても
「自然に、なるようになるものがあればそれでいい。」と、慎一は決意を決めるのでした。

原作との違い

原作では、主人公の慎一がコピー機のセールスマンをしていましたが
映画では小説家をしており、同棲中だった恋人に逃げられ鬱屈した日々を抱える青年。という設定も加わっています。

また、映画での裕子は親として強くあろうとする孤独な女性。
アキラは、父に去られて深く傷ついており、慎一を慕っている様子も描かれています。
原作では、アキラが慎一に懐いている描写はなく、大人びた対応をしていました。

まとめ

慎一の家の近くの幼稚園で飼われている鳥たちのなかに夜中でも啼きかわしている
”夜、眠らない、不眠症の鳥たち”を
事実婚を選ぼうとしている慎一たちを比喩しているのだろうと思います。

ただ、彼らの鳴き声は、険しい道でも自分たちらしい生き方を選択しようとする
決意と自由を表明しているように聞こえます。

現在わかっている情報だけでも、原作と映画で違う設定が多いので
公開予定の映画では、慎一たちがどのような選択をして、その時の心情をどのように表現しているのか楽しみですね。